人の手の神秘性

ある日のレッスンで、

 

チェルニーのエチュードを弾く生徒さんに、

「この曲の性格はどんなキャラクターだと思う?」と尋ねると キョトンと。

 

「エチュードなんかに性格はないでしょう。 ただの指の練習なのだから」と言いたげ。

 

 

ワルツの曲なら

「こんな感じで、アナ雪みたいに」なんて

直ぐに作品の気分に浸れ、答えやすいのでしょうね。

 

 

チェルニーのエチュードも

必ず性格はあり、一番大切なことです。

 

歯切れよく正確に動く 強い指も、

軽やかで滑らかに動く 粒ぞろいの指も、

それだけでは…

 

作品の性格(雰囲気、イメージ)を表すための武器でしかありません。

 

 

作品の性格を鮮やかにイメージした時、

やっと体にマジックが起き、

手や腕や指先が、そのイメージの音を出したいがために、

一番適した動きやタッチングをし始めます。

 

そして、

ダメ出しをするのは、耳の役目。

 

イメージを頼りに反応した指先が出した音が、本当にイメージ通りなのかを判断する。

 

 

人間の手は、最新のどんな機械よりも なんて優秀なんでしょう。

 

脳の機能と同じく、神秘としか言いようがないと思っています。

 

 

 

「可能性を開花させる教室」

大野城市瓦田 ピアノ・エレクトーンの音楽教室 下田ミュージックスクール